2017.11.17 (金)
【熱中症対策2019】猛暑日を安全に過ごすための注意点
2019.07.31 (水)
体の調子を整えたい
熱中症とは、体温が上がって体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節ができなくなって様々な症状を起こす病気です。日本は年々気温が上がっており、2018年は23年ぶりに10日以上の猛暑日を記録しました。2019年も暑い日が続くことが予想されるので、本記事では今年の夏を乗り切るためのポイントを紹介します。
目次
熱中症の症状
熱中症の症状は、Ⅰ度(軽度)、Ⅱ度(中等度)、Ⅲ度(重度)の3段階に分けられます。大事なのは症状が重くならないように早めのケアをすることです。
Ⅰ度(軽度):熱失神
Ⅰ度は熱中症の症状が軽度のときです。体温を下げるために、体の表面部分の毛細血管が拡張して血液が集まります。そのため、一時的に脳への血流が減少し、めまいや立ちくらみ、頭痛、吐き気などが起こります。
Ⅰ度(軽度):熱痙攣
Ⅰ度(軽度)のもう1つの症状として熱痙攣(けいれん)があります。大量の発汗によって、体内のナトリウムが失われた時に起こります。血液中のナトリウム濃度が低下することによって、筋肉の収縮を引き起こし、手足の痙攣・筋肉痛・こむら返りなどの症状が現れます。
Ⅱ度(中度):熱疲労
Ⅱ度の症状としては熱疲労が起こります。体内の水分が減少して体液や血液量が不足すると、脈拍や血圧が低下します。強い疲労感や倦怠感、おう吐につながります。適切な処置が遅れると、より重い熱射病に移行しやすい危険な状態です。
Ⅲ度(重度):熱射病
Ⅲ度は脱水症状が進行し、もっとも症状が重い状態です。体温の調節機能に異常をきたし、体温が40℃を超えます。ひきつけや意識障害、多臓器不全につながり、重篤になると死に至るケースもあります。
水分補給のポイント
熱中症を予防するには、のどが渇く前に水分を摂るのがポイントです。特にスポーツや入浴前後、就寝前は水分補給を忘れずに行いましょう。体への吸収率を高めるために、ガブガブ飲むのではなく、少しずつこまめに飲むように心掛けてください。
熱中症予防に適した飲み物
熱中症予防に適しているのは、水や麦茶、そば茶、ルイボスティー、スポーツ飲料などです。カフェインが多い飲み物(コーヒー、紅茶)や、ビールやワインなどのアルコール類には利尿作用があり、体内の水分が排泄されてしまいます。
汗をかくとミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)や、ビタミンB群とCが失われます。水を飲むなら水道水ではなくミネラルウオーターを選び、ビタミンを摂るなら野菜や果物を食べましょう。ビタミンBが豊富な豚肉などもおすすめです。これらは内臓や筋肉など体全体の機能を正常に保つ働きがあり、不足するとめまいや立ちくらみなどの症状につながります。
牛乳・清涼飲料水・フルーツジュースなどは水分量が85~90%程度なので、水分補給にはあまり向いていません。嗜好品としての飲み物と、熱中症予防の飲み物は別だと考えましょう。
水を飲むタイミング
水分補給をするタイミングは、のどが渇く前です。のどが渇いてから水を飲もうとする人が多いですが、それではもう遅いのです。のどが渇いたと感じた時にはすでに体内の水分の2%が失われて、脱水症状の初期段階にあります。猛暑日に屋外で活動する場合は、コップ1杯の水を1時間に1回は飲むようにして、のどが渇かない状態を作りましょう。
水分減少率 | 主な脱水症状 |
---|---|
2% | のどの渇き |
3% | 強い渇き、ぼんやりする、食欲不振 |
4% | 皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困憊、尿量の減少と濃縮 |
5% | 頭痛、熱にうだる感じ |
8~10% | 身体動揺、痙攣 |
20% | 無尿、死亡 |
1日に必要な水分量
1日に1200~1500mlは飲み物から水分を摂りましょう。コップ1杯(200ml)の水を1時間に1回のペースで飲めば1500ml程度は飲めるはずです。屋外で活動したり、運動している人は1500ml以上の水分補給が必要になる場合もあります。
人は1日に約2500ml程度の水分が体内を出入りしています。体内に入ってくる水分は、飲み物から約1200ml、食べ物から約1000mlです。そして体内から出ていく水分が、呼吸・汗が約900ml、尿・便が約1600mlです。
猛暑日は汗をかく量が増えるので、体内から出ていく水分量が増えます。1000ml以上が1日に排出されるので、通常よりも多めに飲む必要があります。食べ物からの水分では足りないので、必ず飲み物からも摂るようにしましょう。
注意すべき場所
熱中症が起こるのは屋外だけとは限りません。何気ない日常の中で、気づかぬうちに体内の水分が奪われたり、具合が悪くなる場合もあります。熱中症対策の1つとして、日常生活で注意するべき場所を把握しておきましょう。
日差しが強い場所
日差しが強い場所では熱中症が起こりやすくなります。当然だと感じるかもしれませんが、レジャーやスポーツに夢中になっていると、意外と自分の発汗量に気づけないものです。海やプールなどのレジャー、ジョギング、テニス、野球などのスポーツ、学校の部活、農作業、工事現場での仕事、炎天下で買い物、通学中などは要注意です。
室内熱中症とは
屋外だけではなく、室内でも「室内熱中症」というのがあります。最近は節電のため、エアコンを使用制限して熱中症になるケースが多く、「節電熱中症」とも呼ばれています。室内熱中症は、部屋の気温・湿度が高く、通気性が悪い環境で発症しやすくなります。直射日光が当たるリビングや、蒸し暑くなるバスルームやキッチンでは、熱中症のリスクが高くなるので、空気の入れ替えをこまめに行いましょう。
夜間熱中症とは
室内熱中症の中で多いのが「夜間熱中症」です。夜になると室温が下がりにくく、睡眠中に汗で体内の水分が失われることが原因です。夜間熱中症の対策は、寝る前にコップ1杯分の水を飲むことです。寝る前にお酒を飲む人もいますが、アルコールは利尿作用があるのでお酒を飲んだ日は多めに水分を摂りましょう。屋外や日差しの強い場所では多くの方が熱中症対策をしていますが、室内や夜間に気をつけている人は少ないです。室内だからと安心せずに、こまめに水分補給を心掛けましょう。
熱中症になりやすい人
熱中症になりやすい人には特徴があります。テレビのニュースなどでは運動中の熱中症が報じられることが多いですが、屋外で運動をしていなくても熱中症になります。「私は運動しないから大丈夫」「あまり外出しないから大丈夫」と安心せず、生活習慣を整えながら安全対策をしていきましょう。
不規則な生活の人
食事を抜くと、栄養が脳や体に行きわたらないため、新陳代謝が滞って、気温の変化に対応しにくくなります。熱中症を予防するためには、決まった時間に規則正しく食べるようにしましょう。また、睡眠不足になると、脳や体の疲れがとれず、体温調節機能も低下します。
お酒をよく飲む人
お酒を多く飲んだ後は、アルコールを分解するために体内の水分が使われてしまいます。またアルコールの利尿作用によって体内の水分が失われるため、熱中症のリスクがいっそう高くなります。お酒を飲む日はいつも以上に水分補給を心がけましょう。
子供・赤ちゃん
子供は気温の変化にうまく対応できず、熱中症にかかりやすくなります。ベビーカーにのせた赤ちゃんも、アスファルトからの照り返しを受けているので注意が必要です。大人が常に体調をチェックし、いつもより顔色が悪い、くちびるが渇いている、ぐったりとしている、尿が少ないといった症状があれば早めに病院を受診しましょう。
お年寄り
お年寄りは、皮膚にある温度センサー機能が低下し、気温の変化を自覚しにくくなります。さらに、体内の水分量も少ないため、発汗量が同じでも、若い人より脱水症状になりやすいです。若い頃と比べて食欲も減り、体力も低下していきます。おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に住んでいる家族が気にかけながら、遠くに住んでいる場合も定期的に連絡をして体調管理をしてあげましょう。
春~夏はゴールデンウィーク、お盆休み、夏休みなどで生活リズムが変化していると思います。飲み会などでお酒を飲む機会も増える季節です。楽しい夏の思い出をつくるためにも健康管理を徹底していきましょう。
日常生活でできる予防法
熱中症対策として1番大切なのは、こまめな水分補給を心掛けることですが、水分補給以外にも日常生活でできる予防法があります。
栄養バランスのよい食生活
暑い日は食欲がなくなったり、単品料理に偏る人も増えます。すると、内臓や脳の働きが悪くなり、気温の変化に対応しにくくなります。そこで、野菜やフルーツ、肉や魚もしっかり摂るようにしましょう。
バランスのよい食事を心がけると、熱中症の予防に必要な水分やミネラルを自然に補給できます。暑い日は、ビールを飲んだり、そうめんや冷やし中華などの麺類を食べる機会も増えますが、暑い季節だからこそ、体調管理に気を使った食生活を心掛けましょう。
衣類・服装のポイント
熱の吸収を抑え、体の熱をスムーズに逃がす素材を選びましょう。吸水性や通気性が高い綿(コットン)や麻(リネン)がおすすめです。最近は、速乾性にすぐれた機能性素材の衣類も多く市販されています。色は熱の吸収率が低い白や淡い色合いのものが良く、熱がこもらないように、袖や襟があいたデザインがおすすめです。
洋服の中にはインナーを着るようにしましょう。薄着のほうが涼しいと考えがちですが、インナーを着たほうが、涼感が上がります。肌とインナー、インナーとアウターの間にできる空気の層が、外からの熱気を遮断し、空気を循環させる役目をしてくれます。アウターを素肌の上に直接着ると、汗で張りついて空気の層がなくなってしまうので、猛暑日こそ薄手のインナーを着用するのがおすすめです。
すでに体温が上がっている場合は、体をクールダウンするために首・ワキの下・股関節を冷やすのが効果的です。この部分には太い血管が通っているため、冷やされた血液が全身をめぐり、体のほてりを鎮めるのに効果的です。ぬらしたタオルやハンカチを冷蔵庫で冷やして首に巻いたり、市販のネッククーラーや冷却剤を使うと便利です。
住環境のポイント
先述しましたが、室内でも「室内熱中症」があります。熱中症対策として、住環境も意識するようにしましょう。日当たりがよいリビングやオフィスは、室温が上がりやすいので、カーテンやブラインドで直射日光を遮るようにします。窓際にベッドを置いている場合は、布団に熱がこもっている場合もあります。睡眠中の熱中症にならないためにも、カーテンやブラインドを使いましょう。
室温の目安は26~28℃です。室温が低くなりすぎると体内の熱を発散させにくくなるので、24℃を下回らないようにしましょう。また、冷風が直接当たると、だるさや疲労を感じやすくなるので、体とは別の方向に風向きを調節します。ポイントは、エアコンの設定温度と実際の室温は異なるということです。私の部屋は24℃設定にしていますが、実際に室温計ではかると27℃前後です。設定温度だけで判断するのではなく、部屋に室温計を置き、実際の室温を計ってみましょう。
キッチン、バスルーム、トイレをこまめに換気することも大切です。直射日光を浴びていなくても、高温多湿の環境で熱中症になるケースもあるからです。バスルーム、トイレなど締め切った個室は、湿気がこもりやすく風通しも悪いので、換気を忘れずに行いましょう。この他、キッチンで火を使って調理をするときは室温が高くなるため、常に換気扇を回して、こまめに水分補給をしましょう。
まとめ
気象庁のデータによると、2018年の夏の平均気温は前年の+1.7℃となり、1946年の統計開始以降で最も高くなり、埼玉県熊谷市では最高気温41.1℃を記録して歴代全国1位となりました。2019年の猛暑については「平年並み」との予報がありましたが、すでに各地域で30℃を超えています。猛暑日とまで気温が上がらなくても、屋外での運動中や、室内での高温多湿により熱中症になってしまう可能性はあります。今年の夏も熱中症対策を怠らずに、安全に過ごせるように心掛けましょう。
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プロフィール:武内教宜
1985年生まれ。埼玉県出身。ジムインストラクター。運動指導歴15年の経験から、40代のオトナ女子・男性がもう一度輝く「セカンドフィットネス」をコンセプトに活動。専門分野は加圧トレーニングを用いたダイエット指導。
著書「ダイエットは目標設定が9割」をはじめ、ダイエット・健康本を多数出版。Amazonカテゴリー1位を獲得。Webライターとしても活動し、東洋経済オンラインやYahoo!ニュースなど大手Webメディアで記事を執筆。スポーツ専門学校の非常勤講師として学生向けの加圧トレーニング授業も担当。
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